さすがデジタル・スキャン:Full Moon


この本は3部構成になってます。第一部は月への旅。第二部は月での活動。第三部は地球への帰還。それぞれに使われている写真は非常に美しい。思わず見入ってしまいます。マスターフィルムをデジタル・スキャンをしたそうですが、その成果は充分に発揮されていると言ってよいでしょう。

Full Moon

月での活動の記録は第二部から。デジタル・スキャンのおかげで、レゴリス(月の砂)の性状が良くわかる写真が沢山あります。例えば、月表面にはっきりと残された宇宙飛行士の足跡、月面車の轍からは、レゴリスがとても細かい粒子で、同時に非常に締め固められやすいという特徴が、あらてめて実感できます。また、写真に登場する宇宙飛行士たちの宇宙服はレゴリスまみれで、付着力をもつレゴリスのもう1つの特徴が良くわかります。
特に、アポロ17号のユージーン・サナーンが着陸船内に戻って休んでいる写真と船内に持ち込まれた彼の宇宙服の写真を見ると、持ち込まれた宇宙服や彼の下着にもレゴリスが付着しているのがわかります。きっと一度付着したレゴリスを払い落とすのは大変なのでしょう。また、着陸船内に入り込んだレゴリスを吸い込んだことにより「花粉症」に似た症状を示した宇宙飛行士がいたといわれていますが、船内に持ち込まれた宇宙服を見ると、かなりの量のレゴリスが船内に入り込んだことが納得できます。
やはり、将来的な有人による月面活動でも、このレゴリスによって引き起こされる諸問題を解決することが重要な課題となることでしょう。
レゴリスの性状を表す一番印象的な写真は、一番最後に掲載されている月表面のアップです。その写真には、微小流星体の衝突によってできたと思われる無数の小さい穴がはっきりと写っています。必見です。
第三部は、この写真集のクライマックスです。月面を離れ次第に近づく地球。その姿は非常に美しい。きっと月面着陸という大冒険を成し遂げた宇宙飛行士たちには、今、写真で見ている私達以上に感慨深かったことでしょう。アポロの第一の成果は、やはりこの宇宙から見た地球の美しい姿を明らかにしたことなのかもしれません。
第一部は、43枚、第二部は59枚、第3部は24枚の写真で構成されています。写真の後に、アポロミッションおよびミッションでの写真記録についての簡単なまとめ、そして最後に各写真について解説有り。
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(参考)
「月面花粉症」について→本サイト内「アポロクロニクル③月面ダストの匂い」

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