アポロを越えて:月探査技術の進歩


4月8日付SCIENCS@NASAに「アポロを越えて:月探査技術の進歩」という記事が掲載されています。
次期有人月探査に向けて新規開発されている重量物運搬用ローバーのATHLETEや新型ローバ、インフレータブル型居住施設などの紹介記事です。ローバ開発部分の文章にケンタウルス型ロボット宇宙飛行士「Robonaut」へのリンクがありますので是非。
Robonutは何故鉄仮面のようなヘルメットを装着しているんでしょうかね?概訳は以下。


アポロプログラムで月に着陸した月面着陸船の、4キロバイトのRAMと74キロバイトのハードディスクドライブといったとても”大きな?”オンボードコンピュータを積んでいた。また、着陸船の外皮はアルミホイル2枚ほどの厚さしかなかった。

アポロ12号宇宙飛行士

アポロの時はそれでも良かった。当時は宇宙飛行士は月の表面に数日しか滞在しなかったからだ。しかしNASAが月に再び人類を送ろうとしている2020年の計画はそれより野心的なものであり、装備の新規開発が必要だろう。
数日間の滞在がおそらく数ヶ月連続した滞在に変わり、それを実現するためには今までになかったレベルの探査技術が必要になる。そのためNASAはこの新しいミッションに必要な、知的ロボット、与圧キャビンを持つトラックサイズの月面ローバ、インフレータブル居住設備などの技術開発を進めている。
「もし私達がさらに長く月に滞在しようとするなら、月の環境で生き抜くために必要な設備を開発しなければなりません。」とNASAの探査技術開発プログラム(ETDP:Exploration Technology Development Program)のディレクターFrank Peri氏は言う。
アポロの時代には、ロボットのアシスタントはSFの世界だけの存在だった。もし宇宙飛行士が重たい設備を移動させなければならない場合は、それを自分で持ち上げて移動させなければならず、またクレータ調査の場合も、ロボットによる事前調査などはできなかった。ETDPでは、宇宙飛行士のそんな場合の危険を軽減するための半自律のロボットを開発している。

ATHLETE

6本脚を持つ、蜘蛛に似たATHLETE(All-Terrain Hex-Limbed Extra-Terrestrial Explorerの略)と呼ばれる重量物運搬ロボットがある。「それは基本的には大きな平らな荷台を持つトラックで、その上に色々なものを置いて移動することができます。」とPeri氏は言う。NASAのジェット推進研究所で組み立てられているそのプロトタイプはそれぞれの脚の先端にタイヤを装備している。着陸船を上に載せれば、岩などの障害物を避けて移動させることができる。宇宙飛行士によって1つまたはそれ以上の車輪をドリルや他のツールに取り替えることができ、ATHLETEはそのほかの作業や探査に役立てることができる。
ATHLETEは、偵察用としてETDPで開発されている小さなロボットと同様に、遠隔操作によるコントロールと宇宙飛行士の音声や身振りにも反応するようなCPUを持つ予定である。4キロバイトのRAMではこのような賢いロボットではとても足りない。
宇宙飛行士が月面を走行する際には、アポロの月面車より快適な乗り心地になるだろう。「アポロの宇宙飛行士が月でローバを運転している映像を見ると、とても過酷な運転であったことがわかります。」とPeri氏は言う。アポロの月面車をデューンバギー(砂漠を走破可能な屋根無しのジープ)とするならETDPで開発している新しいローバはRV車といえるかもしれない。それは長期にわたる走行中に宇宙飛行士が休むことができる寝室を備えた与圧型のキャビンを装備している。丸く突き出した窓で月の表面を安全な社内から観察する事もできる。

与圧型ローバ

しかしキャビンの外に出て直接手で行う探査も重要である。その時は宇宙服がローバの外側に取り付けられているので、快適なキャビンから直接その中へ身を滑り込ませることができて簡単である。エアロックは必要ないのだ。その代わりこれらの宇宙服はアポロの時の宇宙服以上に研磨剤のように尖った粒子である月ダストに長時間さらされることになる。「アポロの宇宙服は3日間使えれば良いものでした。」とPeri氏は言う。「新しい宇宙服は月面の厳しい環境の中で数ヶ月から1年は使えなければいけません。」
月面の居住施設は、空気、水、食料を提供し有害な放射線から防御するものでなければならない。アポロ着陸船の薄い外皮では長期間にわたって放射線を防ぐためには不十分である。またより長期間使える電力を供給システム、生命維持装置、ミッションを充分果たすために必要な生活および作業スペースも必要になるだろう。
そのためEDTPでは月面に到着した後にフルサイズに広げるインフレータブル居住施設と長期間に渡って月のレゴリス(月の砂)に曝されても大丈夫な材料を開発している。居住施設の周囲をレゴリスで覆うことで効果的に有害な放射線を遮蔽できるはずだ。
これらの開発はとても難しい仕事である。だがこれらの技術開発に投資することは月面での長期滞在だけのためではない。月で数ヶ月居住するために必要な設備は、アポロプログラムで必要だった設備とは随分と異なっているが、他の場所で生活するために必要な設備とは良く似ている。
。。。例えば火星とか。
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写真上:1969年に月に降り立ったアポロ12号の宇宙飛行士Alan Bean。写真:NASA
写真中:All-Terrain Hex-Limbed Extra-Terrestrial Explorer:略してATHLETE。月面居住モジュールのプロトタイプを運んでいるATHLETEの写真はこちら。#1#2 写真:NASA
写真下:月面ローバのプロトタイプ。ローバの外壁に取り付けられた宇宙服で従来のようなエアロックが不必要に。写真:NASA

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