アメリカ新宇宙政策の概要


2004年1月14日、アメリカの新しい宇宙政策が発表されました。
それまでのアメリカの宇宙政策と大きく変わったところは、「宇宙ステーションの完成」「スペースシャトルの引退」「有人月探査の再開」「月の資源利用」が明記されたところでしょう。
それを受けて、ブッシュ大統領によって新宇宙政策についての演説が行われました。ホワイトハウスのホームページに演説全文と映像が掲載されています。
この演説の訳を掲載していますので参照してください。ここでは演説の際の発表資料をまとめてみました。注目すべきは、月に有人の拠点を作り、月の資源を利用し、火星や火星以遠の探査に向かうことが明記されているところでしょう。以下まとめです。


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■新宇宙政策の目的
新宇宙政策の基本的目標は、堅固な宇宙開発を通じてアメリカの科学、安全、経済を発展させることにある。このため以下の事柄を実行する。

  • 継続的で確実な有人およびロボットによる太陽系とそれ以遠の探査を進める。
  • 太陽系に人類の拠点を広げ、2020年までに人類を再び月に戻し、人類が火星、それ以遠の探査に向かう準備を行う。
  • 探査と有人探査に必要なサポート技術について革新的技術、知識、インフラストラクチャを開発する。そして
  • 将来のアメリカの探査の科学的、安全と経済的部分について国際協調、民間活力の導入を進める。

■A.地球低軌道について
□スペースシャトル

  • コロンビア事故調査委員会の提言に基づき、できるだけ早くスペースシャトルの飛行を再開させる
  • 国際宇宙ステーションの開発のためにシャトルを集中的に使用する。そして
  • 10年後に予定されている国際宇宙ステーション開発終了後速やかにシャトルを引退させる。

□国際宇宙ステーション

  • 米国および協力各国とともに国際宇宙ステーション組み立てを今後10年で完成させる。
  • 国際宇宙ステーションでの研究および使用を宇宙探査計画の目的のために集中させ、宇宙環境が宇宙飛行士の健康と能力に与える影響とその対応策について理解を深める。そして
  • 国際宇宙ステーションに協力している各国の同意のもと国際宇宙ステーションを運営する。

■B:地球低軌道以遠の宇宙探査
□月

  • 有人およびロボットによる火星および火星以遠の探査を可能にするような月探査に着手する。
  • 2008年頃に、将来の有人探査活動の準備のためのロボットによる月探査シリーズ一号にによる探査活動を開始する。
  • 2015年~2020年に月面に有人活動拠点を構築する。そして、
  • 月やその他の宇宙の資源の利用を含めた、将来の科学、技術とシステム開発を念頭に月の探査を進め、火星や他の惑星への有人探査をサポートする。
    □火星および火星以遠

  • 火星の生命、太陽系の歴史の理解、将来の有人探査のための火星ロボット探査を続ける。
  • 科学的目的および有人探査支援のための太陽系ロボット探査を進める。とくに、木星の衛星、小惑星における生命探査を行い、太陽系の歴史の理解を進め、資源の調査を行う。
  • 地球のような惑星を調査し他の恒星を公転する居住可能な環境を発見するための宇宙望遠鏡を開発する。
  • より遠くへ及び/またより長時間にわたる火星、それ以遠の有人及びロボット探査に必要な、発電、推進、生命維持および他の技術の開発、実証を進める。そして
  • ロボット探査により火星の知識を得、月ミッションにより有人探査を支える技術を実証した後、火星の有人探査を実行する。

■C.輸送系
□地球低軌道以遠に人を運べる新しい宇宙船を建設する。

  • 2014年以降に有人月探査を行えるように今後10年以内に最初のテスト飛行を行う

□国際宇宙ステーションへの物資輸送と地球低軌道以遠の探査機打ち上げと人員の輸送を分離する。

  • 国際宇宙ステーションへまた宇宙ステーションからの物資輸送のための実際的で適切な物資輸送ロケットを開発する。
  • 国際宇宙ステーションへまた宇宙ステーションからの人員輸送をスペースシャトル引退後に活用するように開発する。

■D.各国との協力、民間の導入

  • 新宇宙政策への各国の参加を促す。そして
  • 国際宇宙ステーション支援サービスと輸送業務、及び地球低軌道以遠への民間の参入を促す。

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