ミネソタ大のロボットが最も多くの「月の砂」を掘削し、ケネディ宇宙センターで行われたNASAのコンテストで勝利


前回掲載した「月面掘削コンペ」でミネソタ大が優勝したとのことで、ミネソタ大ホームページに「ミネソタ大のロボットが最も多くの「月の砂」を掘削し、ケネディ宇宙センターで行われたNASAのコンテストを制す」という記事が掲載されています。Montana Mule NASAといったキーワードでGoogle検索するとミネソタ大の掘削ロボットMULEの映像などが引っ掛かりますので、興味がある方はどうぞ。なかなかシンプル且つ巧みな構造をしています。以下概訳です。


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MULE

モンタナ州立大学の学生が製作したロボットがケネディ宇宙センターで金曜日に行われた15分でどのくらいの模擬月の砂を掘削できるかというコンテストで優勝した。その他21チームが参加し、モンタナのMSUロボットは21.6kgのレゴリスを巨大な砂箱からかきだす事に成功した。この量はコンテストで求められていた量より10kg以上多く、NASAで最初に行われたこのコンテストの他の参加者よりはるかに多くの砂を運搬した。
アラバマ大のロボットは6.6kgの砂を運搬し、南インディアナ大学のロボットは2.4kgであった。モンタナ大のMULEはコンテストで要求されていた時間と運搬量をクリヤーした唯一のロボットで、バージニア工科大、アイオワ州立大、ノースカロライナ大学シャーロット校などの他の大きな大学を打ち負かした。
賞金は5000ドルでケネディ宇宙センターでの打ち上げにも招待される。同時にアラバマ大チームは、エンジニアリング、アウトリーチそしてプレゼンにおいてジョージ・コスモ賞を受賞した。
「きっと子供のときにたくさん遊んだビデオゲームを両親が咎めなかったからだとおもうよ。」とChris Chingはフロリダからの電話取材に答えた。
Chingはベオグラードからの留学生で、モンタナ州立大のコンピュータサイエンス学科の4年生、大会ではXBOX360のコントローラを用いてモンタナ大のMULEを遠隔操作し優勝に導いた。Ching氏は会場の離れた場所で一人で椅子に坐り、モンタナ大のMULEをスクリーンを見ながら操作した。彼を助けたのはチームメイトのJennifer HaneとJohn Ritter氏。Chingによると回線が細くて操作とモニターの画面との間にタイムラグがあったらしい。
「操作するのはとても疲れました。」とChingは言う。
金曜日の朝にモンタナ大のロボットが120ポンドという規定より10キロ以上の模擬月の砂を掻き出したロボットになったときは歓声と賞賛が沸き起 こった。今回のコンペは木曜に始まったが、どのロボットも最初の日に10キロの砂を掻き出すことはできなかった。幾つかのチームが失格になった。結果とし て、NASAは残ったチームに3時間の整備時間を与えて再び金曜日に競技が再開された。
アドバイザーとして 参加したモンタナ大のBrock LaMeres助教授が言うには、モンタナ大のMULEはワイヤーが緩んでいたため木曜日には多くの砂を掻き出すことができなかったらしい。Ching はロボットを砂の上に動かすことはできたが、砂を掻き出すバケットを砂の中に沈めることができなかったらしい。
その夜にワイヤーを直し、全てを テープで止めてバッテリーを再充電した。LaMeres助教授は生徒たちがロボットのシステムが強調して動くように協力したのできっとうまく行くと確信したとのこと。彼らはおそらくそれぞれのシステムとして幾つかの選択肢があったがその中でベストな組み合わせを選んだのだろうと彼は言う。
モンタナ大のMULEは、移動機構として、例えば他のロ ボットはキャタピラなのに対し、ホイールで移動する機構であった。そしてバケットによる掘削システム とホッパーを装備し、ロボット自身に制御用コンピュータを搭載していた。ChingとLaMers助教授はモンタナ大は時間を有効に使うことができたと も言っている。モンタナ大は木曜日に与えられた15分のうちの最後の数分を余らすことができたので、Ching氏はこの時間をコースの走行練習に使い観客 へのアピールタイムとした。彼はドーナツのような形状に作ったモンタナ大のMULEを、巧みにクレータを避けて走らせ、MULEの機構がよく見えるように 観客の方に向けたのだ。
「その操作はとてもうまく行ったんです。」chingは言う。
興奮したe-メールや電話そしてチャットなどでモンタナ大のMULE が金曜日の朝のコンペでリードしているというニュースを広めていった。
「私は皆がとても緊張していると聞いてました。でも彼らはロックス ターのように扱われてたのです。私はとても緊張しました。」とモンタナ大のアカデミックアドバイザーのHunter Lloyd氏は言う。学生たちは工学部の3つの学科と5つの専攻から集まり今学期を使ってMULEを作り上げた。Ching、HaneとRitterの他に、モンタナ大チームには、Billings出身のBen HogensonとPhillip Karls、Colstrip出身のSteve Pemble、Cutbank出身のCraig Hane、Florence出身のPaul Dallapiazzaが参加している。
彼ら のアドバイサーのLaMeresは電子コンピュータ学科で、Lloydはコンピュータ科学科、Robb Larson, Mike Edens, Ahsan Mian は機会工学科である。
LaMereと6人のメンバーはフロリダのコンペに参加した。Lloydも参加する予定だった が、新しい制御モーターを購入するためにフロリダ行きのチケットをあきらめたらしい。モンタナ大が優勝したあと、LloydはNASAからメールを受け取った。そのメールには6月に来年の惑星探査ビークルコンテストについての助言が欲しいのでNASAまでの旅費を支払うと書いてあった。
「このチームは全て卒業してしまうので、秋までに新しいチームメンバーを探さなければならないのです。」とLloyd氏は言う。
今年のチームはモンタナ大があるBozemanに帰る前に模擬月の砂はフロリダの砂浜や5月の吹雪の中でテストしたバレーコートの砂とは違っていると話していた。つまり地球の砂のように 崩れる事がなく、表層にはガラスの粉のようなとても細かい砂が緩く堆積しているようであった。その層の下の砂は尖った角を持つ小さな粒径の砂でコンクリー トみたいに固く締固められていた。
生徒たちはモンタナ大のMULEの大部分をリサイクルのアルミニウムで作った。彼らは遠隔操作と XBOX360コンピュータを使ってロボットの電子システムとの通信を行った。
電子システムによりモータが断続的にONOFFされ、その力がチェーンを動かしてホイールの下に取り付けられている小さなバケットを動かした。バケットは、まるで観覧車のシートみたいに動き、砂を掘り、砂を運んでホッパーに投下した。ロボットはレゴリスの重さを 測るNASAのコンテナーへその砂を運んでホッパーの中の砂を投入した。
Pemble が言うにはロボットの全てのシステムが開発段階で少なくとも1回は壊れたらしい。
「私 たちは最後までどこが弱点なのか洗い出しを行っていました。」と彼はいう。「かろうじて、それはうまうく動くようになったのです。」
LaMeres 助教授は昨年NASAのワークショップに参加していた際にこのコンペの事を知った。彼はミネソタ大にアイデアと持ち 帰ってNASAの予算を得ることができた。その後ミネソタの宇宙コンソーシアムはLaMeres、LyoydそしてLarson各氏に4年生を対象としたこの プロジェクトの開発と旅費の予算を追加したため来年も学生たちが今年の経験を生かすことが出来る見込みだ。
モンタナの宇宙コンソーシアムはコンペで着るTシャツも提供した。Hogensonはモンタナ大の学部奨学金を得て4年の設計ク ラス終了後もこのプロジェクトに参加する予定である。
コンペのセレモニーは5月28日 にフロリダで行われる予定。掘削コンペ以外に、ベストチーム賞、設計賞、プレゼンテーション賞などが表彰される。
モンタナ大のMULEはモンタナ大の工学物理科学研究棟にこの夏展示される予定である。

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