ヨーロッパの次の月探査:Chandrayaan-1


1月14日付けMoonDailyに「ヨーロッパの次の月探査:Chandrayaan-1」という記事が掲載されています。
今年の4月に打ち上げ予定のインド初の月探査機Chandrataan-1に搭載される3つのESAの観測装置に関する話です。
ESAの観測機器以外には8つの計測器がChandrayaan-1には搭載される予定で、そのうち1つは29kgの月面衝突体との事。以下概訳です。

チャンドラヤーン1

ESAの実験装置が初のインド宇宙研究機関(ISRO:Indian Space Research Organisation)との共同ミッションに向けて最終準備段階を迎えている。Chandrayaan-1は月を精密に観測するミッションで、地球近傍を離れた初のインドの科学ミッションになる予定である。
ヨーロッパは3つの観測機器を供給している。
Chandrayaanとはヒンディ語で「月への旅」の意味である。Chandrayaan-1はX線、可視光、近赤外からマイクロ波といった様々な波長で月を探査する。観測軌道は高度100kmの月周回軌道になる予定である。
「その低い軌道は高解像度のデータをもたらしてくれることでしょう。」とESAのChandrayaanプロジェクトの科学者、Detlef Koschny氏は言う。そのミッションの第一の目的は今までにない精度で月表面の地図を作成することである。現在惑星科学者達が利用できる月面地図の解像度は30-100m程度なのだ。Chandrayaanは5~10mの解像度で月全体の地図を作成する予定である。「私たちは2年間かかると思っています。」とKoschny氏はいう。
2003年9月に打ち上げられ約3年前に終了したヨーロッパ初の月ミッションSMART-1で培われた経験をもとに、ESAは衛星の運用、データの取り扱いそして軌道力学などでISROに協力している。
小型X線分光計(CIXS:The Compact Imaging X-ray Spectrometer)は高精度で低エネルギーX線分光で月面マッピングを行う。SIR-2という赤外分光計は月の地殻とマントルの化学組成を観測する。SMART-1でも搭載されたこれらの観測装置はChanndryaan-1のためにアップグレードと調整がされている。それらはSMART-1で行われた月表面の組成についての観測を継続して行う予定である。
3つめはサブキロ電子ボルト原子分析装置(SARA:Sub-keV Atom Reflecting Analyzer)である。マーズエクスプレスとビーナスエクスプレスに搭載された高エネルギー粒子計測器(ASPERA:高エネルギー粒子計測器)をもとに作られており、電気的にチャージされた粒子と月表面との相互作用について直接的な観測を行う最初の月の観測機器となる予定である。
大気の無い月の表面は太陽から放出される粒子に常に曝されている。SARAはそれらの相互作用を観測し、月の表面組成画像を作成し、表面の磁気異常と太陽粒子の衝突による月表面からのガスの放出を計測する予定である。
ヨーロッパのこれらの装置は完成が近づき、近々ISROに送られる予定である。
低軌道は、月表面からの粒子やエネルギーを計測するようなこれらの観測機器にとってとても都合が良い。「表面に近いということは表面からの信号がより強くなるということを意味しています。これは全球マッピングにはとても良い条件なのです。」とESAのChandrayaanプロジェクトマネージャのChristian Erd氏は言う。
ヨーロッパの3つの観測機器以外に、Chandrayaan-1は他に8つの科学計測装置を搭載している。その中には観測開始時に月面に落とされる29kgの着陸体(MIP)も含まれている。
Chandrayaan-1は2008年4月にインドのシハリコタから打ち上げられる予定である。Cgandrayaan-1は極軌道打ち上げロケット(PSLV:Polar Satellite Launch Vehicle)によって打ち上げられ、5日半で月に到達する。そして2週間かけて観測軌道に投入される。
予想される膨大な科学成果に加え、Chandrayaan-1は月と同様に別の天体への将来ミッションの足がかりでもある。例えばESAの水星へのBepiColomboミッションはSARAの計測システムと同じものを搭載する予定であり、2つの天体の観測結果を比較することが可能である。
写真:Chandrayaan-1想像図(ISRO)

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