夏至の月の錯視


6月16日付SCIENCE@NASAに「夏至の月の錯視」という記事が掲載されています。
毎年この時期になるとSCIENCE@NASAでは「月の錯視」についての記事がアップされます。実はこの記事、この時期の定番です。以前も2005年6月20日付け「真夏の夜の月の錯視」という記事の概訳を掲載したことがあります。記憶によればそれから数年はほぼ同じ記事を掲載していたので概訳は作成しませんでした。
でも「月の錯視」「ポンゾ錯視」という検索単語、ログによるとかなりヒット数が多い検索単語なので、またSCIENCE@NASAに「月の錯視」に関する新しい記事が出れば掲載したいと常々思っていました。今回、出だしを読むと少し違う文章だったので早速訳を作ってみました。
ですが概訳作成後、「真夏の夜の月の錯視」を改めてみると後半はまったく同じ文章でした~。
内容は、6月18日の満月は夏至ということもあり月の錯視が起きやすいとのこと。月の錯視の説明として定番の2つの説が書かれてます。
とりあえず概訳は以下。


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自分の目が信じられないという時が時々あるだろう。そんなことが今週にも起きるかもしれない。
水曜日、6月18日の夜は、日没時に外に出て周りを見渡してみるといい。東の空から巨大なものが登ってくるのを見ることができるだろう。すぐにそれが満月だとわかる。それにはいつものようにクレーターと海があり男性の顔の模様になっているが、その日の「月」は不思議なほど大きく見えるはずだ。巨大なのだ。
その時まさに月の錯視を体験しているのだ。

夏至の月

その日は月を見るのにうってつけの日だ。6月18日の満月は「夏至の月」で、北半球の夏季の始まる日から2日前に昇る月だ。面白いことに太陽と月にはシーソーのような関係がある。どちらかが高い軌道を取れば残りは低い軌道になる。今週は夏至の太陽が高い軌道を取るため、月は、低く、地を這うような軌道になりそして月の錯視が最も強くなるのだ。
何千年もの昔から空を見上げてきた人類は、月の軌道が低いと不自然に大きく見えることを知っていた。天文学者達は最初は大気が地平線近くの月を大きく見せていると思っていたが、写真によってその考えは正しくないことが示された。写真に撮られた月は高度に関わらず同じ大きさだった()。人間だけが大きな月を見ていることが明らかになったのだ。
ではどうして我々だけがおかしくなってしまうのだろうか?
実はいまでも、科学者達は明確な理由を解明できていない。月を見ると普通は目の奥にある網膜に0.15mmほどの光の点として焦点を結ぶ。月が高くても低くてもその大きさは変わらないのだが、脳が片方がもう一方より大きいと判断してしまうのだ。図で説明しよう。

ポンゾ錯視

同じような錯視は1913年にMario Ponzoによって発見されている。図のように放射状に伸びるレール状の線に同じ長さの横棒を置いた場合、上の黄色の棒は見かけ上のレール幅以上に及ぶため大きく見える。これをポンゾ錯視という。
幾人かの科学者達は、月の錯視もポンゾ錯視だと思っている。木や家がポンゾ錯視のレールの役割を果たすのだ。前景にある物体が、脳に月を本来の大きさより大きく見させているのだ。
だがその説明には少し問題がある。高い高度を飛ぶ飛行機のパイロット達は前景に比較する物体が何もないのに、しばしば月の錯視を経験しているのだ。彼らの目をだましているのは何だろう?
もしかするとそれは空のかたちが原因なのかもしれない。人間は空を頂点がより近く地平線がより遠い扁平なドームとして理解している。例えば、我々は頭上を飛ぶ鳥の方が地平線を飛ぶ鳥より近いと感じている。そのため、月が地平線近くにある時、脳は鳥(雲や飛行機など)を見ているのと同じように、月の本当の距離とサイズを間違って見積もってしまうのだ。

扁平空モデル

まだ別の説明がある。今までの説明とはちょっと違うが、それは誰もが大きく美しい月を見たいと思っているのが理由である。月の出で最も美しく月が見えるのは、月が木々や家々や山の端からちょっと顔を出した時である。
もしよければ次のことをやってみて欲しい。まず何もせずに月を見て欲しい。それから、例えば親指と人差し指で月をつまんで見るとか、ダンボールで作った筒を通して月を見るとか、何か細いあなから月を見て欲しい。きっと前景の効果が無くなり、月の錯視も起きないことだろう。
でもそれは直ぐやめて欲しい。君も月の錯視を見逃したくは無いだろう?
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写真上:メリーランドのマンチェスターに上る満月。 Credit: Edmund E. Kasaitis.
上図:ポンゾ錯視。Image credit: Dr. Tony Phillips.
下図:月の錯視を説明する扁平な空モデル。Source: Explaining the Moon Illusion by Lloyd Kaufman and James H. Kaufman.

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