月の内部構造と進化を明らかにするNASAの新ミッションが発表


12月11日NASAのプレスリリースに「月の内部構造と進化を明らかにするNASAの新ミッションが発表」という記事が掲載されています。
NASAのディスカバリープログラムとして行われるこのミッションはどうやら2機のタンデム飛行を行う月周回衛星による月重力場探査をメインとするミッションのようです。名前は「GRAIL」ミッション。
2機の月周回衛星には学生や一般が自由に遠隔操作できるカメラも搭載される計画だとの事。なかなか意欲的な計画のようです。打ち上げ予定は2011年。
詳しくは以下の概訳を。

GRAIL

月曜のアメリカ地球物理連合の会議において、NASAの科学部門副長官Alan Stern氏が月の深部の構造を明らかにし月の歴史と進化を解明するための新ミッションについて発表した。
GRAIL(The Gravity Recovery and Interior Laboratory)ミッションはNASAのディスカバリープログラムとして行われる。コストは3億7500万ドル(約412.5億円)で2011年に打ち上げ予定。GRAILは月軌道を数ヶ月間にわたり併走する2機の探査機で構成され月の重力場の高精度観測をおこなう。このミッションによって地球の月と太陽系の固体惑星の形成についての謎の多くが解明される予定である。
「革新的な能力を持つGRAILは、その期待される高度な科学的成果と技術的容易性そして低リスク性などの点で、ディスカバリーミッションのコンペにおいて際立っていました。」とStern氏は言う。「またGRAILは月の理解のためだけでなくその後の火星やその他の惑星へも利用できる革新的な地球科学的手法を提供することになります。」
科学者達は2つの衛星の軌道から月の重力場を、X線探査によって地殻からコアまでの月の地下構造を解明することができ、また間接的に月の熱史の解明も行うことができる。
GRAILで使われる基本的技術は2002年に打ち上げられたアメリカとドイツのGRACE(Gravity Recovery and Climate Experiment)ミッションで確かめられている。GRACEミッションでは打ち上げられた2つの衛星によって極の氷の融解や海流変化による地球の質量変動が計測された。GRACEと同じようにGRAILミッションの2つの衛星は同時に打ち上げられる予定である。
GRAILのPI(Principal Investigator)はマサチューセッツ工科大のMaria Zuber氏。彼の研究チームには元宇宙飛行士Sally Ride氏(女性)が広報担当として参加している。それぞれの衛星に搭載するカメラは学生および一般に開放され自由な観測が行える予定である。各衛星は月軌道からの各々の姿を記録するカメラも搭載する予定。
GRAILは2020年までに月へ戻るという目標の達成にも利用される。2008年にはLRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)が打ち上げられ、少なくとも1年間月を周回し将来のロボットそして有人による月面着陸地点の調査を行う。またLROは月の資源と月の放射線環境についての計測も行う。アポロ以後の30年間の中断後、LROはNASAによる人類が月へ戻る第一歩となるだろう。このミッションではまたLCROSS(Lunar Crater Observation and Sensing Satellite)というミッションも行われる予定である。これは月の南極に衝突し月の氷の存在の証拠を確かめるミッションである。
「このようなNASAの探査ミッションと同じように、この月の科学ミッションは、将来の月での有人活動への道を照らす道しるべとなるでしょう。」とワシントンの科学ミッション局のJim Green惑星部門長は言う。
1992年に創設されたNASAのディスカバリープログラムは科学者主導の低予算かつ高い科学的成果が期待されるミッションを支援してきた。GRAILは2006年に申し込まれた24のミッションの中から選定されている。
写真:GRAILミッション想像図(画像:NASA/JPL)

月の謎と不思議がわかる本
edit

月の謎と不思議がわかる本
宇宙科学探究倶楽部
学習研究社
¥ 500 (定価)
在庫切れ (Amazon価格)
なし (Amazonポイント)
 (私のおすすめ度)
 (Amazonおすすめ度)
単行本
在庫切れ
(価格・在庫状況は3月6日 9:34現在)

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>