月の形成過程についての新しい解析


1月11日付のカルフォルニア大サンタクルーズ校のHPに「月の形成過程についての新しい解析」という記事が掲載されています。
昔から月の謎の一つである月の裏側にある高地地域の話です。どうしてそのような高地地域が出来たかという問題に対して、エウロパの氷の殻の厚さの分布に影響している潮汐力と同じ理論を用いて説明を試みてます。44億年前の月の形成初期に同じようにマグマオーシャンに浮いていた月の地殻に地球の潮汐力が影響した結果、高地地域が形成されたとの説。この説明では月の表側に同じような高地地域が無いことなどまだまだ説明できない部分がありますが、今後の研究の進展が期待されるとこのこと。以下概訳です。


>—–

月の裏側の高地

月の裏側の高地として知られている地形的に盛り上がった地域は、長年の謎だった。だが、カルフォルニア大サンタクルーズ校の研究者によって、その高地は月の歴史の初期に月の外殻が溶けた岩石に浮かんでいた時代に潮汐力が影響した結果かもしれないことが示された。
カルフォルニア大サンタクルーズ校の地球惑星科学科のIan Garrick-Bethell助教授は、月の盛り上がった地形は簡単な数式で表せられる事を示した。
「興味深いのはその一連の数式で潮汐力がその地形の形成に関係したことが示唆されることです。」と11月11日版のサイエンス誌で発表されるこの論文の第一著者のGarrick-Bethell氏は言う。
この論文ではおよそ44億年前の月の地殻が潮汐加熱されたのが原因で月の高地が形成されたと説明している。44億年前というのは、まだ月が出来て間もない頃で、地殻はその下のマントルとマグマオーシャン切り離されていた。そして地球の重力による引力で潮汐力による地殻の伸縮と加熱が生じた結果、極地域はその伸縮と加熱が最大となり、地殻が薄くなり、一方月の地球に近い地域は厚い地殻が形成された。
このプロセスではどうしてこの盛り上がった地形が月の裏側にしか無いのか説明がつかない。「潮汐力は対称に働くので両方の地形が盛り上がっていていいはずです。」とGarrick-Bethell氏は言う。「その後の44億年間で火山活動や他の地質学的影響が月の表側の盛り上がった地形を変えてしまったのかもしれません。」
論文の共著者であるカルフォルニア大サンタクルーズ校の地球惑星科学科のFrancis Nimmo助教授とパリ地球物理研究所のMark Wieczorek氏は、NASAの月偵察衛星からの地形データと日本のかぐや探査機からの重力場データを解析した。
重力場データから得られた地殻の厚さデータは、月の裏側の高地地域の下の地殻が最も厚い事を示していた。
月の地殻の厚さの分布と同じ効果が、液体の海を覆う氷の殻をもつ木星の衛星エウロパでも見られる。Nimmo氏はエウロパの構造における潮汐加熱の影響を研究しており、同じ理論が月にも当てはまると主張している。
「エウロパは私たちの月とは根本的に違った衛星ですが、液体の海の上の地殻が潮汐によって伸縮する過程についてのアイデアを与えてくれます。」とGarrick-Bethell氏は言う。
数学的な方程式から月の盛り上がった地域は月の地形の1/4になると彼は言う。しかし謎はまだ残っている。表側が裏側と大きく異なるのは何故か?今後月の形成についての解析的な研究をさらにすすめることが予定されている。「まだ全てを解明したわけではないですが、その問題を少しずつ解明しつつあるところです。」とGarrick-Bethell氏は言う。
写真:NASAの月偵察衛星による月の裏側の月の地形データ。20,000フィート以上は赤で低い地域は青。Image credit: NASA/Goddard.

NHKスペシャル 月と地球 46億年の物語 ~探査機かぐや 最新報告~ [DVD]
edit

NHKスペシャル 月と地球 46億年の物語 ~探査機かぐや 最新報告~ [DVD]

ポニーキャニオン
¥ 3,675 (定価)
在庫切れ (Amazon価格)
なし (Amazonポイント)
 (私のおすすめ度)
 (Amazonおすすめ度)
DVD
在庫切れ
(価格・在庫状況は3月6日 8:45現在)

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA