風の中の月ダスト


4月10日付けSCEINCE@NASAに「風の中の月ダスト」という記事が掲載されています。
月ダストが太陽風によって帯電する現象を、地球上で実験的に模擬させてみたところ、想定外の現象が見られたようです。
以下概訳です。


月ダストはも乾燥しきったつまらないものに見える。実際たとえ1トンの月ダストを調べても一滴の水さえ見つけられない。しかし、屋根裏のほこりと同じように全ての物を覆い隠す月ダストは、興味深い性質を示すことがわかっている。
NASAとアラバマ大の研究者たちはまさしく「active listeners」だ。Mian Abbas、James Spann、Richard Hoover、Dragana Tankosicらは帯電させた月ダストを電場内で浮遊させ電子顕微鏡で詳しく調べている。これらはアラバマのハッシュビルの宇宙科学センターにあるダストプラズマ研究室で行われている実験だ。
何がそんなに面白いのだろうか?Spann氏は言う。「ここ数年で人類が月に戻るなら、そこで何ができるのか知る必要があります。月ダストが充満する空間でどのようにして生活していくのか?私たちはその答えを見つけなければなりません。」
「月ダストはアポロ宇宙飛行からも厄介なものとして見られていたのです。」Abbas氏は付け加える。「月ダストは全ての物、宇宙服、各種の設備や実験装置にくっついてしまうのです。」その粒子が持つ尖った角がフェースプレートに傷を付け、ジョイント部分を目詰まりさせ、全ての表面に降り積もりダイヤルを読めなくするのだ。「ダストの付着力を原因とするこのようなトラブルは月ダストの帯電性と関係があるのです。」
月面上のダストは、少なくともその一部は太陽風に曝されることで帯電している。地球は磁気圏によって太陽風から守られているが、月には太陽からの帯電した粒子を近づけさせないそのような大規模な磁気圏がない。太陽風の自由電子は月ダスト粒子に作用し、結果的にそれらをチャージさせる。

太陽風と月ダスト

ダストプラズマ研究室では、月ダストが実際の環境でどのように振舞うのか研究するために太陽風を模擬した環境を作っている。今までの研究で、Abbas氏らは月ダスト粒子に対する太陽光線中の紫外線の効果について実験を行い、月の昼間の月ダストの振る舞いについての理論を構築した(紫外線も月ダストをチャージする)。今は月の夜の側で、渦を巻く太陽風が支配する「月面の気候」の中で何が起きるか研究している。
「幸運なことに、我々は太陽風がどんなものか知っていて、それをシミュレートできます。」とSpann氏は言う。
基本的な実験として、Abbas氏は電子銃からの電子ビームにダスト粒子を振り掛けている。彼は月ダスト粒子単体を真空のテストチャンバーの中で浮遊させ数々の電子を衝突させてみた。
「私たちは驚きの結果を得たのです。」Abbas氏は言う。「ダスト粒子単体ではダストが集合したの時から想定されるような効果は出せなかったのです。ダスト粒子が集合した際のチャージ量の計算に基づく理論式は粒子単体レベルでは当てはめることはできなかったのです。」

ダストの浮遊

静電気的なチャージが起きた場合、月ダスト粒子は風変わりな驚くべき振る舞いする。例えば、Abbas氏のある実験では、電子(マイナスの流れ)にプラスに帯電した月ダスト粒子を放り込んだのにさらにプラスに帯電した。その粒子はコントラリアン(逆張り投資家)なのか!Abbas氏は粒子に衝突した各電子がそこにある2つかそれ以上の電子を追い出したため、プラスの帯電量が増加したと考えている。
ずべての月ダストがそのように振舞うわけではない。それぞれの粒子がどう振舞うかは粒子のサイズ、その帯電状態、内部にある自由電子の数などに影響される。
Spann氏は言う。「私たちは実際の月面でも単体の粒子は私たちの実験室と全く同じではなく、異なった振る舞いをすると思っています。私たちの実験結果は実際月で起こっていることに極めて近いはずです。私たちは、”ちょっと待てよ。変なことを見つけた。月にいくと考えていることと少し違ったことが起きるぞ。”と言っているのです。」
月ミッションではこの月ダストの話が検討されることは間違いないだろう。
写真上:月表面の太陽風と日射によるチャージングと生成された電場。Credit: Jasper Halekas and Greg Delory of U.C. Berkeley, and Bill Farrell and Tim Stubbs of the Goddard Space Flight Center.
写真下:赤色レーザに照らされる、ダストプラズマ研究室の真空チャンバー内で浮遊する月ダスト粒子。
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今回のような電気的な帯電といった話題には弱いので所々に誤訳があるかもしれません。特に、「Now they are investigating how the grains behave in the dark of night, when the swirling solar wind dominates “lunar weather.”」中の”the swirling solar wind”を渦巻く太陽風と訳してますが、月の夜の側って太陽風が渦巻いているのでしょうか?月の環境に詳しい方できればアドバイスをお願いします。
また初めの方に出てくる「active listeners」は適当な日本語が思いつかなかったのでそのままにしました。

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