LCROSS観測ガイド


いよいよ明日、LCROSSが月面に衝突します。10月5日付けScience@NASAに、この世紀の天体ショーのいろいろな観測方法について書かれた「LCROSS観測ガイド」という記事が掲載されています。
LCROSSの衝突は日本時間の20時30分から。残念ながら日本から直接観測することは難しいようですが、NASA TVでは衝突の1時間15分前から月からの生中継?(LCROSS衛星からの画像)も織り交ぜながら専門家による解説、テレメトリに基づくアニメなどを使った放送を行うそうですので楽しみ。果たして月の水の存在の確実な証拠は発見されるんでしょうか?以下概訳です。


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想像してほしい。宇宙船が夜空を横切り地面に衝突して爆発する。舞い上がったデブリの噴流が夜空にうねり、そこに次の宇宙船が飛び込んでいく。4分後その宇宙船も地面に激突する。まるで宇宙船の雨のようだ。
ヘルメットを被って備えた方がいい。10月9日金曜日、まさにそれと同じことが実際に目の前で起きるのだ。

LCROSS衝突想像図

衝突地点は月の南極近くのカベウスクレータだ。NASAは月面クレーター観察・検知衛星(略してLCROSS:Lunar Crater Observation and Sensing Satellite)とクレータに-月の水が存在する証拠をつかむために-衝突する上段ロケットセントールの観測ガイドを紹介している。
ショーを見る方法は2つある。
まずはNASA TV。NASAは太平洋夏時間で金曜日の午後3時15分から(世界標準時で10:15→日本時間で19時15分)から月からの生放送を開始する。放送から衝突までは専門家によるコメント、ミッションコントロール室からのステイタスリポート、衛星からの画像、テレメトリを元にしたアニメーションなどが放送される予定。
衝突開始の時間は太平洋夏時間の午後4時30分(世界標準時で11時30分→日本時間で20時15分)。2200kgのセントールロケットがまず衝突し100億ジュールの運動エネルギーが解放され熱と光で強烈な衝突光が発生するはずだ。研究者達は衝突により高さ10kmまでデブリが舞い上げられると予想している。
そのすぐ後にLCROSSの母船が衝突の写真を撮影しNASA TVに転送しデブリの噴流に突入する。搭載された分光計で太陽に照らされたデブリ噴流を解析し水(H2O)、水酸基(OH)、塩、土壌、含水鉱物と様々な有機物などの水の痕跡を分析する。
「もしそこに水があれば、または水以外の何か興味深いものがあれば、きっと見つけられると思います。」とNASAのエイムス研究センターの主任研究者Tony Colaprete氏は言う。
その次に母船自体の衝突による衝突噴流が発生する。セントールの「着地」から4分後、700kgのLCROSS衛星がすぐ近くに衝突し、カベウスクレータのリムより高い衝突噴流が発生する。
ハップル宇宙望遠鏡、月偵察衛星(LRO)地球の大小の数百に及ぶ望遠鏡は、その2つの衝突噴流を詳しく観測し、水とその他の予期せぬ物質の発見に全力をあげる。

月の南極

ショーを見るためのもう一つの方法は、君の望遠鏡で観測することだ。
「私たちは家庭にある中ぐらいのサイズの望遠鏡-口径10インチ程度かそれ以上-でその衝突噴流を観測できると予測しています。」とNASAのエイムス研究センターのBrian Day氏は言う。Day氏はアマチュア天文家でLCROSSの教育、普及広報を担当している。「衝突の最初に発生する爆発はおそらくクレータに隠れて見えないと思われますが、その衝突で発生した噴流はクレータのリムを十分に越えて舞い上がり地球からも観測できるでしょう。」

観測地点

北アメリカの太平洋と西部地域は衝突時には日が暮れて月を観測するにはちょうど良い暗さになる。ハワイはベストな観測地点で、太平洋岸の州は次に良い観測地点となる。でもミシシッピー川から西であればどの地点からでも観測できる可能性がある。
衝突による噴流がカベウスから発生したら、極地域に差す太陽光によって明るく照らされるはずだ。しかしクレータ自体は自身の壁によって作り出された永久影による闇の中だ。「それが良いんです。」とDay氏は言う。「クレータの影は太陽に照らされた噴流をはっきりと写す黒い背景になるはずです。」
ミッションが計画された初期段階では、科学者たちは、地球からの観測のために最大のコントラストを得るため、夜空に対して噴流が立ち上るように月の周縁部に近いクレータに衝突させようと考えていた。しかしNASAの月偵察衛星、日本のかぐやそしてインドのChandrayaan-1からの観測データによってその計画は大幅に変更された。
「私たちはカベウスクレータは水素または凍った水の体積物を相対的に豊富にに含んでいると考えています。」Colaprete氏は言う。カベウスは私たちが望んでいた周縁部にはそれほど近くはないですが、H2Oを発見する最大のチャンスを私たちに提供してくれると考えています。」
LCROSSチームは多くの人達-アマチュアから専門家まで-がその噴流を観測し撮影してもらいたいと考えている。「多くの目で見ればより良い結果が得られます。」とDay氏は言う。「これはいまだかつて無いチャンスだということを忘れないで。何が起きるか100%はわかりませんが、おそらくびっくりするような事が起きるでしょう。」
ベテランのアマチュア天文家Kurt Fisher氏は発生する噴流を追跡するための13MBのパワーポイントの資料を作成している(ここからダウンロード)。そしてここには初心者へのLCROSSミッションの紹介と他の観測者とのチャットを用意しているLCRSS観測グループへのリンクがある。
「これは市民科学者とNASAが手を取り合ったすばらしいチャンスです。」とDay氏は言う。そしてLCROSS市民科学者サイトへの撮影した画像の投稿を呼びかけている。「これは誰もが参加できる偉大な冒険なのです。」
確かにまたとないチャンスだ。
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写真上:10月9日のCROSSの月面衝突想像図。Credit: NASA/Ames.
写真中:衝突の夜と同じように見えている月の南極の写真。Photo Credit – NMSU / MSFC Tortugas Observatory.
写真下:衝突の瞬間に地球の月に向いている側。

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