LROがアポロ14号のクルーに素晴らしい写真をプレンゼント


2月4日付けのNASAのHPに「LROがアポロ14号のクルーに素晴らしい写真をプレンゼント」という記事が掲載されています。
現在月軌道を回っているLRO(月偵察衛星)がアポロ14号の着陸地点を撮影し、14号の下降段、設置してきた観測機器そして宇宙飛行士が歩いた足跡などが確認され、彼らが目指していた「コーンクレータの縁まであと27mほどだったことがわかったとの事です。宇宙空間で酸素タンクが爆発し月面着陸どころではなくなったアポロ13号の後の14号、もう一度失敗すればアポロ計画自体の中止も考えられる状況で、幾つかのトラブルに見舞われながらようやく月面に着陸しています。そして多くの岩石を持ち帰り、その時月面で歩いた距離はいまだに破られていない記録だそうです。しかしLROの高解像度カメラの能力はすごいです。アポロ14号のクルーが活動した形跡がはっきりと確認できます。以下概訳です。


>—-

14号着陸地点

月でのアポロ14号ミッションは多くの美しい写真と科学的成果を含む輝かしい成功で満たされているが、クルーは直径1000 フィート(約304.8m)のクレータの縁に立てなかったというちょっと残念な経験をしている。NASAの月偵察衛星(LAO)、からの高解像度データを使えばそのクレータを覗き込む事も可能だ。
1971年に打ち上げられたアポロ14号ミッションは最初からプレッシャーとの戦いだった。アポロ13号は月へ向かう途中で酸素タンクが爆発し月への着陸は中止になった。13号のクルーの英雄的な努力で無事に地球に戻ってこれたのだが、アポロ14号チームは2度目の失敗を起こせはおそらく今後のアポロミッションは全て中止になるだろうと予想していた。
しかしミッションを脅かすような爆発などの惨事は起こらず、アポロ14号のクルーはこの緊迫したミッションを成し遂げた。月へ向かう途中で、クルーは彼らの宇宙船、機械/指令船「キティホーク」を着陸モジュールの「アンタレス」にドッキングさせなければならなかった。しかし、2つの宇宙船を結びつけるロックがうまく働かなかった。キティホークのパイロットStuart Roosa宇宙飛行士は1時間半に渡って6回ドッキングを試みようやくドッキング機構が動き、2つの宇宙船が繋がり宇宙飛行士の Alan Shepard船長とEdgar Mitchell操縦士はアンタレス着陸船に乗り移ることができた。アンタレスの降下中には、着陸地点へ誘導するコンピューターとレーダシステムが故障し対処しなければならなかった。言うことを聞かないシステムだったにも関わらず、彼らは着陸予定地点から78フィート(約23.8m)しか離れていない地点に着陸した。これはアポロミッションの中で一番正確な着陸であった。
彼らによってフェラ・マウロ基地と名付けられた着陸地点はアポロ13号で調査される予定の場所で、太古に巨大な隕石の衝突で形成された750マイル(約1207km)の幅のある嵐の海の端から300マイル(約482km)の険しい地形の部分だった。フェラ・マウロに点在する丘はその衝突で飛ばされた砕石で形成されていると思われており、地質学者たちは月に嵐の海のような地形が形成された年代を特定するため、クルーがその地域の岩石を採集し持ち帰ることを望んでいた。

14号着陸地点の3D画像

同じような巨大なクレータは水星と火星にも存在し、それらは太陽系が無数の隕石によって「重爆撃」された期間が存在したことを意味している。科学者たち は、地球も同じように隕石が衝突し、生命の進化に重大な影響を与えたと考えているのでそのデータを重要視していた。しかし、私たちの地球ではそのような古代のクレータは風や水の侵食、ゆっくりと動くプレート運動による地殻の変動などにより消されてしまっている。
Shepard とMitchell宇宙飛行士はは2月5日に着陸して2回の月面歩行、専門用語では「船外活動」またはEVAs、を行い、月面で2日間滞在した。最初の EVAでは計画通 りにアポロ月面実験パッケージを設置した。その実験機器には月震を計測する地震計と地球から発したレーザを反射し地球と月との距離を正確に計測するレー ザ反射鏡が含まれている。2回目のEVAでは、クルーはアンタレスが着陸した地点より1000フィート(約304m)離れたところにある最近の隕石の衝突で出来たコーンクレーターの縁まで歩く計画であった。
「衝突クレータはドリルの先端のような形をしてるのです。」とNASAのゴダード宇宙センターの James Rice博士は言う。「隕石は地面の下の幾層もの地層を突き破って爆発し、外側に噴出物を撒き散らすのです。表面の物質は遠くまで飛ばされてしまうのですが、地中深くから掘り返された物質はそのクレータの縁近くに大きな塊で残されます。なのでクレータに近づきながら岩石を拾っていけば、大きな穴を掘らずに足元の下の断面図を得ることが出来るのです。アポロ14号のクルーがクレータに近づいていったのはまさにこのためで、彼らは嵐の海への隕石の衝突で発生した岩石の層のサンプルを収集することでコーンクレータは岩盤の下まで達していることを確かめることを目標にしてました。アポロ14号が着陸した嵐の海への隕石の衝突による噴出物は元々の月の地殻から100マイル(約160km)下から噴出したと考えられていたのです。」と話すRice博士はLROプロジェクトの助教授で ある。

14号宇宙飛行士

しかしその地域は予想以上に険しい地形で、クルーはその丘の麓を歩いているうちにクレータの縁への道を見失った。結局、彼らは酸素 を消費しないためと採集した試料を安全に着陸船に持ち帰るために引き返さなければならなかった。その時、彼らはその場所で採集した岩石が地下深くの特徴を 有していたのでクレータ の縁に充分近づいていると認識していたが、クレータのふちから見る壮大な風景を見ることが出来ないことが心残りだった。
「LRO の月偵察軌道船カメラ(LROC)によって撮影された高解像度画像で、250,000マイル(約40万キロ)以上の距離を旅して来た事を考えればあとほん のちょっとの距離の30ヤード(約 27.4m)まで近づいてたことがわかりました。クレータの縁は数ヤード先の丘に隠れて見えなかっただけなのですが、酸素と水が少なくなっていたので戻る しかなかったのです。」とアンタレスの操縦士Edger Mitchellは言う。
「LROで得られた高解像度画像と、LROのレーザ測距装置による地形マップを使えば縁に立った時の風景を再現することが出来るはずです。彼らはそこまでの道のりを正確に知っているのですから。」とRice博士。

宝石といわれた14号の写真

LRO は全てのアポロ着陸地点を観測し、LROチームは今までにない正確さで月の地図を作成した。その地図は将来の人間とロボットによる月探査に役立てら れる予定である。地図はまた、Rice博士によれば、鉱物組成、氷の含有、険しい地形の地域、表面温度、表面温度変化などのデータも含んでいるので、精査 すべき場所の特定にも役立つと考えられている。
アポロ14号のクルーは当時利用できた地図を元に立派に仕事をこなし、ミッションは成功を収め、 100ポンド(約45.3kg)に近い岩や砂を収集して地球に持ち帰っている。持ち帰った岩石の放射性同位元素による年代解析によって嵐の海などが作られ た重爆撃は、ちょうど地球で生命が発生した時期と同じ時期である38~9億年前に起きた事がわかった。アポロ14号ミッションは、1971年2月9日に指 令船が大平洋に着水して終了した。ミッションで月面を歩いたおよそ9000フィート(約2.7km)という記録はまだ破られていない。
>—–
写真①:2011年1月25日にLROC NAC(LROに搭載されてる狭角カメラ)によって撮影された写真。左に14号の下降段、右にALSEP(各種実験パッケージ)、その間に宇宙飛行士たちが歩いた跡が見える。より大きな画像→着陸地点クローズアップ→:Credit: NASA/Goddard/Arizona State Universit
写真②:LROCの別の軌道から撮影された2つの高解像度データを用いて作成された アポロ14号着陸地点の3D画像。アポロ14号の降下段(赤い点)、アポロの各種実験パッケージ(黄色い点)、通称亀岩(茶色い点)、宇宙飛行士が歩いて 砂を掻き乱して出来た線(青いライン)が記入してある。データ及びアポロの機器の縮尺は図中に記入。このような3D画像とモデルは将来の月ミッションに役 立てられる。フル解像度版→:Credit: NASA/GSFC/Arizona State University/The Ohio State University
写真③:アポロ14号の宇宙飛行士Edgar Mitchell。James Rice博士とのインタビューはこちら→:Credit: NASA
写真④:アポロ14号の着陸モジュールアンタレス。太陽を反射して円形のフレアが出来ている。その反射光は宇宙飛行士に宝石のようだと言われた。写真の左端にコーンクレータの緩やかな斜面が見える。フルサイズ画像→:Credit:NASA

Haynes Nasa Mission AS-506 Apollo 11 Owners' Workshop Manual: 1969 (Including Saturn V, CM-107, SM-107, LM-5)
edit

Haynes Nasa Mission AS-506 Apollo 11 Owners’ Workshop Manual: 1969 (Including Saturn V, CM-107, SM-107, LM-5)
Christopher Riley、Phil Dolling
Haynes Pubns
¥ 2,770 (定価)
¥ 4,183 (Amazon価格)
なし (Amazonポイント)
 (私のおすすめ度)
 (Amazonおすすめ度)
ハードカバー
在庫あり。
(価格・在庫状況は3月6日 9:34現在)

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>