NASAの探査機が最近まで月面で地質学的活動があったことを明らかに


2012年2月20日付けのNASAの月探査衛星(LAO)のページに「NASAの探査機が最近まで月面で地質学的活動があった事を明らかに」という記事が掲載されています。
以前、月が全体的に縮んでいるという観測結果が示されましたが、今回は縮んでいない、むしろ引っ張られている地域が存在していることが発見されたらとのこと。
これはLROの軌道上カメラで地溝が発見されたためで、地球のアフリカの大地溝帯と同じく地殻が左右に引っ張られている証拠になるようです。このことから従来言われていた月の生成モデルについても新しい解釈が必要になるかもしれないとのこと。LROの高解像度カメラで撮影されたのはまだ月の表面の半分だけらしいので今後も何か見つかるかもしれません。以下概訳です。


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月の地溝

NASAの月偵察衛星(LRO)の画像により、月面のいくつかの小さな範囲で地殻が伸ばされ、小さな谷を形成していることが判明した。科学者によるとこの地質学的活動は5千万年前以内に発生したもので、これは月の45億年という歴史から見ると比較的最近の活動に相当する。
高解像度カメラチームは月偵察衛星軌道カメラ(LROC)によって得られた画像に、小さくて狭い幅より長さの方が長い溝が形成されている事を発見した。これは月の地殻がその場所で引っ張られた証拠である。このような直線上の谷は「地溝」として知られており、月の地殻が引っ張られて破壊され、2つの正断層に挟まれた部分が下に落下し形成されたとものである。今回月表面のいくつかの場所でこのような地溝が発見されたのだ。
「月は内部が冷えるに従って全体的に収縮していったと一般的に考えらています。」とワシントン国立スミソニアン航空宇宙博物館、地球・惑星研究センターの職員で、3月にNatureのGeoscienceジャーナルで発表されるこの研究論文の主執筆者であるThomas Watters氏は言う。「地溝の存在は私たちに月を収縮させた力はある部分では引っ張る力に圧倒されていたという事を教えてくれます。これは月を収縮させている収縮力はそれほど大きく無いことを意味します。そうでないとこのような小さな地溝は決して存在しないはずです。」
弱い収縮力は、月が地球のような惑星と異なり、その形成初期において完全に溶けた状態では無かった事を示している。しかし今までの観測の結果からは、月はその形成初期において岩石が溶けたマグマオーシャンによって覆われていたという別の見方が支持されている。

地溝のでき方

2010年の8月、観測チームはLROCの画像を使って月表面の収縮の物理的な証拠の特定を試み、「耳たぶ状の崖」と言われる地形を発見している。この崖は月が最近全体的に縮んだ証拠であり、現在も縮み続けているかもしれない可能性を示している。このチームはこのような崖は月全体にわたって分布しているので月内部が徐々に冷やされていくことで縮んでいると結論づけている。
崖の大きさから計算すれば、月の中心と表面までで距離にして約300フィート(91.44m)と縮んだと考えられている。地溝の発見はその結果からは予期していなかったものであり、その地域の月の地殻は引っ張られているという矛盾した証拠となるものである。
LAOのミッションが進行して行くにつれてデータのカバーエリアが広がっていき、科学者達はさらに良いデータを得ることができて、そのような若い地溝がどの程度存在するのか、最近起きた他の地質学的活動はどのような物があるのか等について理解を深めていくとができると思われる。今回発見された地溝は月の地殻の応力状態の再検討に役立つだろう。
「月の裏側に地溝を見つけたときはとても驚きました」と共著者でLROCの主研究員でもあるアリゾナ大学の地球惑星探査研究室のMark Robinson氏は言う。「私はすぐさまその地域をステレオカメラの観測地点とし地溝の3D画像を手に入れることができました。それを発見したときにはとても興奮しましたし、まだ月面の高解像度画像は半分しか撮影されていないのです。月にはまだ探査されていない物が沢山あるはずです。」
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画像上:これは月の裏側の高地に存在する地溝の中でも一番大きな物。この地溝の幅は約500mで月偵察衛星軌道上カメラ(LROC)の狭角カメラ(NAC)のステレオ画像からその深さは20m。(Credit: NASA/Goddard/Arizona State University/Smithsonian Institution)
画像下:地溝は月の地殻は引っ張られて離れたとき形成された溝である。この地殻の引っ張り合いにより地表付近の物質が2つの正断層に沿って破壊され、2つの正断層に挟まれた地域が落下し谷を形成した。(Credit: Arizona State University/Smithsonian Institution)

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