NASAの科学者による画期的な巨大月面望遠鏡構築方法


4月8日付、NASAのゴダード宇宙センターのHPに「NASAの科学者による画期的な巨大月面望遠鏡構築方法」という記事が掲載されています。
少量のカーボンナノチューブとエポキシそして大量の月ダストを使ってコンクリートのような硬い部材を作れ、それを使えば直系50mの反射鏡を月面に構築できるという話です。そしてもしそのような巨大な月面望遠鏡が複数できれば、太陽系以外の地球型惑星の大気組成や大陸および海の分布などまで観測できてるとの事。大気がなく安定した地盤がある月面、このような巨大な月面望遠鏡ができれば宇宙探査の姿も変わるのかもしれませんね。
概訳は以下。


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月写真

NASAのゴダード宇宙センターでで働く科学者達は巨大月面望遠鏡用の反射鏡を月面に構築する革新的な方法について研究している。そのために必要な物質は若干のカーボンとエポキシ、そして大量の月ダストである。
「私達は巨大望遠鏡を月面に比較的簡単に作ることができます。莫大な輸送費をかけて地球から巨大なミラーを運ぶ必要もありません。」とゴダード宇宙センターのPeter Chen氏は言う。「必要な材料の大部分は既に月面にある月ダストを使うので、多くの材料を地球から運ぶ必要が無く輸送費用を節約できるからです。」
Chen氏とゴダードの同僚Duglas Rabin氏、Michel Van Steenberg氏、Ron Oliverson氏はそのような反射鏡作成方法をアメリカ天文学協会の第212回ミーティングでポスター発表した。また彼らは6月4日に記者発表も予定している。
長年、Chen氏はカーボンファイバー複合材で望遠鏡の高精度なミラーを作成する方法を研究していた。だがChen氏らはある実験を行ってみた。彼らはカーボンナノチューブをカーボンファイバーの代わりに使い、少量のカーボンナノチューブとエポキシを月ダストと同じ粒径と組成を持つ砕いた岩石と混ぜたところ、コンクリートと同じようなとても硬い部材を作れることを発見した。その部材は鏡を作るためのガラスの代わりに使うことができる。
次に彼らはその部材の上にエポキシを流してそれを室内の温度条件で回転させてみた。すると12インチの反射鏡面を作ることができた。この作業工程は非常に簡単でコストも安い。
「それから私達がすべきことは少量のアルミで表面をコーティングするだけ、それだけで高精度な望遠鏡用の反射鏡が手に入るのです。」とRobin氏はいう。「私たちの方法は月面に適用する事もでき、どこにでもある月ダストを使い口径50mといった巨大望遠鏡のミラーでさえも作ることができるのです。」そのような望遠鏡が実現したなら今ある世界一の望遠鏡:カナリア諸島にある口径10.4mのカナリー大型望遠鏡(Gran Telescopio Canarias)でさえも小型望遠鏡にしてしまうはずだ。
月面50m級望遠鏡の威力は想像以上である。月面は安定した地盤があり星の光を吸収しぼやけさせる大気がない。その巨大望遠鏡では系外地球型惑星のスペクトルを観測しオゾンやメタンなどの大気組成を分析できるだろう。そのような巨大月面望遠鏡が2台以上設置され協調し長基線観測を行えれば恒星を回る系外地球型惑星の画像を直接取得でき海や大陸などの存在から生じる反射率の変化を計測することができるだろう。様々な距離にある星雲の観測を行えば宇宙の進化についての理解が深まるだろう。
「巨大望遠鏡を建設することは月から天体観測を行うことの明確な理由になります。」とChen氏はいう。「私達はこの”現地調達”の複合材料を使って宇宙飛行士のための居住施設を作ったり、太陽発電用に光を集めるミラーを作ったりする事だってできます。」
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写真:1969年11月24日に月軌道を離れるアポロ12号指令船から取られた月の画像。 Credit: NASA

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