プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー

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プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー (ブルーバックス)
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プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー (ブルーバックス)
福岡 伸一
講談社
¥ 945 (定価)
¥ 972 (Amazon価格)
30pt (Amazonポイント)
 (私のおすすめ度)
 (Amazonおすすめ度)
単行本
在庫あり。
(価格・在庫状況は3月6日 16:09現在)

できそこないの男たちと同じ福岡伸一氏の著作なので手にとって見た一冊。


この本はブルーバックスです。ブルーバックス久々に読みました。まだ表紙の折り返し下の隅のサービスシールがあるんですね。確か10枚集めると特性ブックカバーをくれたはずで、中学生の時は必死に10枚集めてわくわくしながら講談社に郵送した思い出があります。送られてきたカバーを見て少しガッカリした思いでも。今はもうそのサービスはやってないのかな?表紙を見てもそんなことどこにも書いてないような。。。。
それは良いとして、本書は「できそこないの男たち」に続いて読んでみた福岡伸一氏の著作の三冊目。
最近はあまり世間を騒がせることも無くなった狂牛病。その原因物質として広く知られるようになったのがプリオン。プリオンが体内のある部位に入り込むと長い潜伏期間を経て以上に増殖し、その器官の機能を失わせてしまう。増殖するのであるから何らかの病原菌のようなイメージがあるが、その大きさは一番小さい生命として知られるウイルスよりもさらに小さく、生命の設計図である核酸(DNAまたはRNA)も持っていない。このプリオンという物質は病原体を表すコッホの3原則の1つを満たしていないのではないかと本書では指摘されている。なぜそのような物質が羊から牛、そして「狂牛病」として人にまで感染するのか?
本書は、その前書きにも書いてあるように、「極めて虚心坦懐に、いま一度プリオン説を様々な局面から再検討し、プリオン説がどこまで本当なのかを批判的に解析してみようという試み」である。
そのため、イギリスにおける狂牛病の発生過程から話がすすみ、ニューギニアのクールー病との関連などを絡めて次第に核心へと話が進んでいく。
話が進んでいくとわかるのだが、「狂牛病」という病気、その原因を特定するだけでも大変な困難を伴っていたらしい。そしてその原因物質とされたプリオンの特定法についても、本書の方針として「批判的に解析」すると銘打っているだけあって、非常に脆弱な根拠の上に成り立っていることが次第にわかってくる。そして最後にはプリオン説ではなくウイルス説について提唱しその論拠を並べ説明がなされている。その説明には説得力を感じる。
不謹慎な言い方だが、「プリオン説」をめぐるその研究の変遷は非常にドラマチックである。個人差があるとは思うが、読んでいて結構ドキドキすると思う。同時に。狂牛病についてはあまり報道されなくなった今でもまだその全貌が私達には理解できていないということにあらためて気がつかされる。自然界にはわからないことがまだまだ沢山あるのだな。

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